旅散人のブログ

旅と写真好きのシニアのプログです。お金の話も得意です。

<生活>京都嵐山の真新しい美術館、福田美術館を訪問

皆様、こんにちは!

 遅まきながら関西ではまだ松の内です。明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願い申し上げます。

 皆様のお正月は如何でした?私は、暮れから孫が来て、年越しそばを食べ、白味噌のお雑煮とおせちを頂き、年賀状を見て、近所のお宮さんに初詣に行く、平凡・平和なお正月でした。成田山にもお参りしました。しかしながら、1月後半から仕事が詰まっており、お正月早々その準備に明け暮れています。

 その合間を縫って、最近できた京都は嵐山の「福田美術館」を訪問しました。

★福田美術館

 昨年10月、嵐山に新たな私設美術館「福田美術館」が誕生しました。「100年続く美術館」がコンセプトらしいです。オーナーは、その名のままアイフル創業者の福田吉孝氏です。

 所蔵点数は約1500点、琳派から円山四条派、京都画壇の作品を中心としており、蕪村、若冲、松園などの絵師の作品が中核になっています。

 建物は、東工大安田幸一という方が担当されたとのこと。展示室は3つで、約400平米と、こじんまりした美術館です。ちょっとした軽食ができる喫茶店やショッピングコーナもありました。

 お庭の池は、池面がちょうど保津川の川面と一体に見えるように作られています。確か渡月橋までは保津川渡月橋を越えると桂川というのだったと記憶していますが、間違っていたらごめんなさい。

 展示室は、日本画を展示するにふさわしく、蔵をイメージした大きなものが2つあり、非常に見やすい造りです。3つ目の展示室は、洋画が展示されており、どちらかというと洋風です。

 素晴らしいのは、ガラスケースが高透過率をほこるドイツ製のガラスを採用しており、見る位置と作品との距離を短くできるということです。

★福美コレクション展

 現在13日まで、開館記念として「福美コレクション展」が開催されています。10月からのⅠ期は既に終わっており、1月13日にはⅡ期も終わります。最後の方の駆け込みですが思ったより混んでいなく、比較的快適な鑑賞環境でした。

 実は、このコレクション展に行く前の日に、家内が録画していた「美の巨人たち」を見て事前学習をしました。予備知識を持っておくことにより、楽しく鑑賞できます。現地での家内の解説も聞きやすくなります。これが、無知な私には非常な手助けとなりました。

★主な作品の印象

 作者や作品名は覚えられないので、出展リストを見ていくつか感想をまとめておきたいと思います。

 まず、上村松園、人物の髪の毛、すごいですね、ものすごく細かい筆さばきです。柔らかい髪の毛の一本一本、髪の毛に光る反射まで、印象に残ります。

 横山大観、「富士図」。大きな屏風2セットに富士山と雲と太陽です。雲の表現には感心します。紙が違うらしいです。でも張った後が皺になっており雑な感じです。大観らしい大雑把です。

 竹久夢二、福田さんの孫が書いたと思われるような幼稚な絵です。家内に言わせるとこれが夢二らしいです。昔小さい頃この絵で塗り絵をしていたとのことです。

 木島桜谷、「駅路之春」。長年行方不明だったそうです。本邦初公開。昔の駅の宿ですが、馬の目がなんとも言えないです。のれんに書いてある屋号が崩し字で読めないので家内がいらついていました。

 木村武山、「龍田姫」。歌で有名な紅葉の竜田川、知らなかった逸話です。姫が筆で紅葉を赤く染めています。絵を見るには絵の背景にある知識が重要です。

 狩野探幽は「雲龍図」、かなり傷んでいます。狩野山楽は「源氏物語図押絵貼屏風」、源氏物語の有名な場面が描かれています。男たちが密談しているところ、おんな子をのぞき見しているところ、海辺など何となく源氏物語の場面を推測できるところがありますが、崩し字も読めないし、多くの場面は想像がつきません。自分の無知さを自覚しました。西洋画を見るには、ギリシャ神話や聖書の物語を知っている必要があるのと同じで、日本の神話や物語、中国の古典も知っておく必要があります。

与謝野蕪村、「猛虎飛濠図」のトラはヒョウでした。でも絵も描いているのですね。

ニワトリの若冲、応挙や芦雪も出ていました。葛飾北斎は珍しい「大天狗図」、池大雅なども出品されています。その他合計で38点が出展されていました。

 西洋コーナーは、ローランサン3面、シャガール、モネ、ピサロマティスで、合計7面ありました。

★美術の奥深さ

 絵を鑑賞するには、感性が必要と思われますが、その前に、その作品がもつ本質を理解する力が必要です。その時の、絵の題材となった宗教や物語の知識、その時代の社会情勢・思想・政治状況などの背景知識がないと全く理解できないものとなります。

 今回の訪問で、更に歴史の勉強からやり直さなければと、反省した次第です。

★最後に

 美術館を出た後は、湯豆腐を食べ、天龍寺に寄って、竹林からの野々宮神社あたりを散策しながら、阪急嵐山まで歩き、帰路につきました。このあたりのことは、また別途報告したいと思います。今日はここまでです。