旅散人のブログ

旅と写真好きのシニアのプログです。お金の話も得意です。

<旅>但馬海岸でカニに温泉、そして大乗寺は応挙の障壁画

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竹野海岸からの冬の日本海の荒波


皆様、こんにちは!

 ようやく11月からずっと忙しかった仕事も終わり、年末を迎えました。もう1月中頃までは仕事もなく、平穏な年末年始を過ごせます。

 久しぶりに、夫婦で日本海までカニを食べに行ました。今年は、竹野にしました。孫を連れて行くと落ち着いて食べられないので、今回の旅は夫婦のみです。タグ付きの松葉ガニをたらふく食べることができました。満足です。

竹野海岸

 カニは何と言っても「ズワイガニ」です。京都から兵庫、鳥取、島根辺りまでの日本海で取れる「ズワイガニ」を「松葉ガニ」、福井県で取れるものを「越前ガニ」と言いいますが、関西人にとっては、やはり京都か兵庫の松葉ガニが「かに」です。鳥取や福井は関西から外れていて遠いイメージです。カニは、産地までわざわざ出かけて行って食べるもので、しかも温泉が付きものです。

 今年は、夫婦で「ジパング倶楽部」を使って、のんびり山陰本線沿いに、但馬海岸まで、電車で行くことにしました。香住と城崎温泉は既に何回か行ったことがあるので、その間にある竹野にしました。竹野は、海岸べりの山の上に休暇村があります。当然温泉です。駅まで迎えに来てくれるし、ミニトリップとして大乗寺拝観が付いています。

 料理は、上から2つ目のクラスの「タグ付きかにづくしコース」にしました。これでもいい値がします。一応「茹で」「刺し」「鍋」「焼き」「天婦羅」「茶碗蒸し」「雑炊」のフルコースです。「味噌甲羅酒」は別途頼むことにしました。

 往路は、姫路周りの播但線経由、「はまかぜ」です。竹野まで直通の特急です。大阪駅から3時間ほどかかります。16時前にチェックインし、一風呂浴びる前に、海岸沿いの3つ展望台をめぐる探索です。残念ながら、厚い雲が覆っており、夕日どころか夕焼けも見えず散々です。どうも裏磐梯から、朝日・夕日に恵まれません。荒々しい日本海の波を写真におさめて、風呂に向かいます。予定では、夕日を眺めながらの露天風呂でしたが、かないませんでした。

松葉ガニはなぜ高いのか

 松葉ガニは、活きたままの活けと、水揚げ後すぐにボイルされたものを流通させており、冷凍していません。一般的なズワイガニは冷凍されて流通しています。この新鮮さに大きな価格の違いがあります。しかもこの地方で取れた松葉ガニは甘みも旨味も強く、他とは比べ物にならないくらいほんとに美味です。また漁獲時期は11月6日から3月20日までと限られた短期間です。更には、一匹一匹厳しい審査を経て松葉ガニとして証明タグがつけられるので、その証明も、価格をあげています。でも高いです。

 ちなみに、足が取れていたりすると安くなります。身の少なめのベニズワイガニはやや安いです。またオスだけを松葉ガニと言い、小さいメスはセコガニと言います。これは安いです。

 夕食では、茹でカニがまるっぽ一杯ついていましたが、なぜか、家内のカニのタグは緑色「香住港の第一盛山丸」、私はピンクの「柴山港の松進丸」です。同じ食卓なのに、なぜ産地が違うのかはわかりません。

 タグは水揚げの産地によって異なります。近くの浜坂は白、津居山は青、京都の間人は緑、島根は青、鳥取は白地に赤、越前は黄色などです。

 3時間近くかかって、カニのフルコースを楽しみ、カニ味噌の甲羅酒と地元の酒「香住鶴」をいただきました。朝には、家内から「いびきで寝られなかった」と小言もいただきました。レストランは、ほぼ満席ですが、平日のためか、皆さんともに定年退職をむかえたと思われる老人たちです。女性グループや一人旅の方も若干おられましたが、殆どが我々と同じ老夫婦です。

大乗寺の障壁画

 翌日は、スタッフの運転で案内してもらえる大乗寺へのミニトリップに参加しました。と言っても、参加者は我々夫婦と一人旅の老婦人のみです。バンで30分ほどで、大乗寺のある香住に着きます。

 亀居山大乗寺(西国四十九薬師霊場第甘八番札所)は聖武天皇御代に行基で始まり、安永年間に再建された際、若い頃住職の支援を受けた恩返しに、丸山応挙が一門12名を上げて、障壁画を描きました。40分ほど係の案内の方から説明を受けるのですが、少し早口でどんどん説明されるので、ついて行けず、残念ながら半分ぐらいしか理解できませんでした。

 パンフレットも見て得た知識です。まず全体の構図ですが、仏間の11面観世音菩薩を中心に13の部屋を荘厳し、部屋という空間に仏の世界(曼荼羅)を立体的に具現したとのことです。即ち、「山水図」の深山の瀑布から流れ落ちた水の流れが、池にたまり、やがて大河となり、大海原へ広がっていく景観の推移が描かれています。しかもこれらは、京都で3年がかりで書かれたものであり、立体的なつながりのある構図を、実建築物に合わせて設計していたとのことですから驚きです。

 障壁画は全部で165面あります。「郭子儀図」は生々しいほど顔料鮮やかな描写です。仙人の足の間や子供と硯の間が見る位置により動きます。「老松孔雀図」の孔雀は誠に見事です。山本守礼「梅花狗子図」ではかわいい子犬がじゃれています。子犬の目は八法にらみで左右に動いても目つきがついてきます。応挙長子応瑞の「遊鯉図」では、言われてみれば滝の水の後ろに滝昇りする鯉が見えます。長沢芦雪の「群猿図」も見事です。襖の上のわずかなすき間の欄間には、蝶や鳥が描かれたものがありました。その他印象に残ったものが多くありました。残念ながら一部は、今京都で行われている「応挙展」に貸し出し中です。またデジタル複写も一部あります。しかし多くは原画のままの国重文とのことです。絵画は、西洋ものをよく見にいきますが、日本画も捨てたものではありませんね。何となく心に響きます。

 帰りは、運転手さんの計らいで、東尋坊にも勝る岡見公園からの絶壁と、カエル岩に案内頂きました。ホテルでお土産を買ってから、竹野駅まで送ってもらいました。

★最後に

 帰路は、城崎温泉に寄って、志賀直哉由来の城崎文芸館を訪れ、出石そばを食べ、カレーの干物を買いました。城崎温泉も、随分騒々しくなった感じがします。

 あとは「こうのとり」で福知山線周りで一路大阪までです。

  冬は何といっても、松葉ガニと温泉です。関東の方にも是非、京都の丹後半島から久美浜、そして兵庫の但馬海岸あたりを一度訪れて頂きたいと思います。

 今日はここまでです。