旅散人のブログ

旅と写真好きのシニアのプログです。お金の話も得意です。

<歴史>世界遺産登録勧告おめでとう、だがしかし何となく腑に落ちない気分

皆様、こんにちは!

今日は、やっと前から書きたかった歴史に触れます。

 最初は、先に世界遺産登録勧告を受けた「百舌鳥・古市古墳群」についての個人的な所見です。様々な意見があり、ブログで触れるのはタブーかも知れません。しかし、歴史好きの人には最もわくわくする「古墳」の話題です。賛否両論ある中、純粋に歴史好きの立場から敢えて私見をまとめてみます。しかし毛頭、論争する気は一切ありません。

★もやもやとして腑に落ちない点の一つ目

 一つ目は、世界文化遺産の候補である点です。世界遺産とは、人類共有の資産であり、しかも文化遺産であることです。しかしながら、今回指定を推薦している古墳49基うち、実に29基が歴代天皇陵墓として宮内庁が管理する言わば私有物である点です。私有物とは言い過ぎかもしれませんが、少なくとも民間のように文化財保護法をよりどころとして、国民共有の財産としての様々な制限を受ける指定文化財の対象とはなっていません。国有財産法に基づく皇室用財産のため、文化財指定対象外です。国民共有の大切な文化財とならないものが、世界人類共有の文化財となり得るのでしょうか?

  堺市のホームページを見ても、一括申請が基本で宮内庁も管轄から外す気もないようです。天皇家の陵墓として信ぴょう性のうすいものがあったり、お墓と言ってももう遥かに遠い時代であり国民共有の歴史的遺跡の感の方が強い気もします。しかし、まだ皇室によって祭祀が行われているらしいですし、お墓として静安と尊厳を守る必要もあります。

 文化というのは人の個々の気持ちの集大成です。多様な価値観を全て寛容に受け入れられるものが文化と思います。私物独占は許されないと思います。それでこそ国民の誇りであり、世界の人類にも共有頂きたいものです。

 この辺が大きなジレンマです。

★もやもやとして腑に落ちない点の二つ目

 二つ目は、真実性の問題です。真実の実証のためには、発掘という学術的手段を欠かせません。現在では、考古学は相当に進んでいます。色々な専門分野の人が一体になって学際的に取り組まれています。

  しかしながら、宮内庁は発掘を一切認めません。当然天皇家やそれに神髄する方々にとっては聖地です。天皇陵墓かはっきりしないところも発掘が認められないのは、むしろ役人の方の頑なさかもしれません。歴史を歪めていると言う一部の歴史家の方々の意見ももっともなところもあります。

 日本人なら、もし後世に仁徳天皇陵が間違っていると判明してもあまり気にかけない、体質かもしれませんが、海外の方にはこの体質が良くわかりません。日本のこの体質が強く批判されるとも限りません。

 歴史好きにとって、この発掘問題は良し悪しがあって意見が分かれるところです。伝聞伝承を信じて空想しロマンを持つのが歴史好きでもありますし、一方発掘現場へ大勢が押し掛けるような好奇心の塊でもあります。

 この発掘の是非も大きなジレンマです。

★もやもやとして腑に落ちない点の三つ目

 三つ目は、なぜ百舌鳥・古市古墳だけなのかの問題です。この卑弥呼古墳時代から飛鳥時代までが、多くの歴史好きにとって、特に興味深い時代です。兎も角よくわからないからこそ、多くのロマンがあります。想像力豊かに、わくわくする時代です。多くの小説にも書かれています。

 日本の古墳は、百舌鳥・古市古墳だけではありません。勿論、我々関西人は、ここの古墳に一番愛着があります。でも、日本の文化財という観点では、古墳全体の文化と史跡を、大切に守り、後世に引き継いでいくべきかと思います。古墳は日本だけでなく韓国にもあります。東アジアの歴史観点からも考える必要があります。

★あとがき

 「百舌鳥・古市古墳群」の世界遺産について、個人的所見を述べました。おめでたいこととは言え、何か腑に落ちない点があります。もやもやしていた点を三つにまとめてみました。歴史好きにとっては、世界遺産にこだわらず、国民の真の文化遺産としての道を選んで、また天皇陵であることも意識して、古墳を大切に守り、後世に引き継いでいってほしいと思います。

 まだもう少し変に暴かず、「ロマン感傷」と「知的好奇心」の両方をバランスよく満たせていただくのがありがたいです。極端に現場を騒がしくしてもらいたくもないです。少年のように、いつまでもワクワクする気持ちを持っていたいものです。

 今日はここまでです。