<旅>嵐山の定番、天龍寺と湯豆腐と散歩と
皆様、こんにちは!
京都嵐山、福田美術館の訪問の続きです。
★嵐山の湯豆腐
福田美術館を一通り巡ると、お昼になりました。嵐山と言えば、湯豆腐しかないとなり、久しぶりに湯豆腐を食べることになりました。まだお昼過ぎで、表通りの有名店は一杯だろうと予想して、裏手の「嵯峨野」に寄りました。「宝厳院」の向かいです。前には、珍名所の「嵐山羅漢」があります。
昼はランチのみのメニューの様です。ゴリの甘煮や生麩の佃煮のようなものが付いてました。お豆腐は、当然嵯峨豆腐だろうと家内とも話が合い、一応確認するとやっぱり「森嘉(もりか)」さんのお豆腐でした。やはりおいしかったです。天婦羅には、紅しょうがの天婦羅がありました。家内が曰く「おかしいわ、これは京都にはないで、大阪や」、でもビールのつまみにはピッタリです。
★天龍寺
お腹も一杯になったので、少し散歩することにしました。御朱印をもらおうということで、天龍寺に寄りました。ここは、京都五山の一位、臨済宗のお寺です。世界遺産です。両親が眠っている田舎のお寺はここの末寺だったと思います。ちなみに、京都五山とは、南禅寺を別格として、二位以下、相国寺、建仁寺、東福寺、万寿寺の6つを言います。
後醍醐天皇を弔うため、足利尊氏が夢想疎石を開山として創建したとのことです。資金調達のため始められた「天龍寺船」でも歴史好きには有名です。法堂の天井には有名な八方睨みの龍「雲龍図」がありますが、残念ながら、特別公開時しか見られません。
本堂の受付を済ますと、まず長い廊下を渡って、多宝殿に行きます。ここには、後醍醐天皇が祀られています。途中で廊下からは、曹源池庭園が見られます。夢想疎石による回遊式庭園です。嵐山や亀山を借景としており、特に秋の紅葉は素晴らしいものがあります。今日は残念ながら、カメラを持ってきていません。スマホで辛抱です。なお、庭の入口には、三脚は禁止だが一脚ならOKと書いてありました。
廊下の傍には、小さな小川があり、池まで引かれています。名前は「大堰川」とあります。そうです、大堰川の上流からわざわざ引いてきているのです。桂川は、上流から大堰川、保津川、桂川と名前を変えますが、特に嵐山公園辺りを再び大堰川と呼ぶようです。ややこしいですね、すみませんが正確なことは知りません。
今度は大方丈の方へ引き返します。ここには、顔は拝めませんが、本尊「釈迦如来像」が安置されています。
庭に出て散歩をします。ここの魅力は、日本庭園最高峰の滝石組だそうです。出島や石橋もあります。映り込みもあります。池の周りを巡り、山の上の高台の方に登ってくと「望京の丘」に出ます。京都の街が望めます。
★嵐山の竹林
庭園を北門から出て、竹林に出ることにしました。予想はしていましたが、竹林は外国の人達がたむろしています。情緒もくそもないです。左手に行くと嵯峨野の奥の方に行くのですが疲れるのでやめます。右手をとり、混雑の中を野々宮神社の方に戻っていきます。昔懐かしい散歩道なのですが、がっかりです。
竹林の途中にお墓があります。学生時代の親友I君の高校の時の友達のお墓です。若くして亡くなったI君の友人です。I君らと一緒にお参りした当時を懐かしく思い出します。しかし、I君も昨年の春に亡くなりました。数年前にも同じ仲間内であったH君も亡くしています。
京都には、もうゆっくり感傷に浸るような散歩道は、なくなってしまいました。時代の移りは、年寄りには、悲しいものです。途中、野々宮神社にお参りして、本通りに出て、少しばかり昔の面影が残っている本通りに出て、渡月橋を渡りました。
★最後に
久しぶりに、美術館を訪れ、また懐かしい嵐山界隈を散歩しました。月日の立つのは速いものです。だんだん友人も少なくなり、外国人のざわめきの中にも、哀愁漂う散歩でした。今日はここまでです。
<生活>京都嵐山の真新しい美術館、福田美術館を訪問
皆様、こんにちは!
遅まきながら関西ではまだ松の内です。明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願い申し上げます。
皆様のお正月は如何でした?私は、暮れから孫が来て、年越しそばを食べ、白味噌のお雑煮とおせちを頂き、年賀状を見て、近所のお宮さんに初詣に行く、平凡・平和なお正月でした。成田山にもお参りしました。しかしながら、1月後半から仕事が詰まっており、お正月早々その準備に明け暮れています。
その合間を縫って、最近できた京都は嵐山の「福田美術館」を訪問しました。
★福田美術館
昨年10月、嵐山に新たな私設美術館「福田美術館」が誕生しました。「100年続く美術館」がコンセプトらしいです。オーナーは、その名のままアイフル創業者の福田吉孝氏です。
所蔵点数は約1500点、琳派から円山四条派、京都画壇の作品を中心としており、蕪村、若冲、松園などの絵師の作品が中核になっています。
建物は、東工大安田幸一という方が担当されたとのこと。展示室は3つで、約400平米と、こじんまりした美術館です。ちょっとした軽食ができる喫茶店やショッピングコーナもありました。
お庭の池は、池面がちょうど保津川の川面と一体に見えるように作られています。確か渡月橋までは保津川、渡月橋を越えると桂川というのだったと記憶していますが、間違っていたらごめんなさい。
展示室は、日本画を展示するにふさわしく、蔵をイメージした大きなものが2つあり、非常に見やすい造りです。3つ目の展示室は、洋画が展示されており、どちらかというと洋風です。
素晴らしいのは、ガラスケースが高透過率をほこるドイツ製のガラスを採用しており、見る位置と作品との距離を短くできるということです。
★福美コレクション展
現在13日まで、開館記念として「福美コレクション展」が開催されています。10月からのⅠ期は既に終わっており、1月13日にはⅡ期も終わります。最後の方の駆け込みですが思ったより混んでいなく、比較的快適な鑑賞環境でした。
実は、このコレクション展に行く前の日に、家内が録画していた「美の巨人たち」を見て事前学習をしました。予備知識を持っておくことにより、楽しく鑑賞できます。現地での家内の解説も聞きやすくなります。これが、無知な私には非常な手助けとなりました。
★主な作品の印象
作者や作品名は覚えられないので、出展リストを見ていくつか感想をまとめておきたいと思います。
まず、上村松園、人物の髪の毛、すごいですね、ものすごく細かい筆さばきです。柔らかい髪の毛の一本一本、髪の毛に光る反射まで、印象に残ります。
横山大観、「富士図」。大きな屏風2セットに富士山と雲と太陽です。雲の表現には感心します。紙が違うらしいです。でも張った後が皺になっており雑な感じです。大観らしい大雑把です。
竹久夢二、福田さんの孫が書いたと思われるような幼稚な絵です。家内に言わせるとこれが夢二らしいです。昔小さい頃この絵で塗り絵をしていたとのことです。
木島桜谷、「駅路之春」。長年行方不明だったそうです。本邦初公開。昔の駅の宿ですが、馬の目がなんとも言えないです。のれんに書いてある屋号が崩し字で読めないので家内がいらついていました。
木村武山、「龍田姫」。歌で有名な紅葉の竜田川、知らなかった逸話です。姫が筆で紅葉を赤く染めています。絵を見るには絵の背景にある知識が重要です。
狩野探幽は「雲龍図」、かなり傷んでいます。狩野山楽は「源氏物語図押絵貼屏風」、源氏物語の有名な場面が描かれています。男たちが密談しているところ、おんな子をのぞき見しているところ、海辺など何となく源氏物語の場面を推測できるところがありますが、崩し字も読めないし、多くの場面は想像がつきません。自分の無知さを自覚しました。西洋画を見るには、ギリシャ神話や聖書の物語を知っている必要があるのと同じで、日本の神話や物語、中国の古典も知っておく必要があります。
与謝野蕪村、「猛虎飛濠図」のトラはヒョウでした。でも絵も描いているのですね。
ニワトリの若冲、応挙や芦雪も出ていました。葛飾北斎は珍しい「大天狗図」、池大雅なども出品されています。その他合計で38点が出展されていました。
西洋コーナーは、ローランサン3面、シャガール、モネ、ピサロ、マティスで、合計7面ありました。
★美術の奥深さ
絵を鑑賞するには、感性が必要と思われますが、その前に、その作品がもつ本質を理解する力が必要です。その時の、絵の題材となった宗教や物語の知識、その時代の社会情勢・思想・政治状況などの背景知識がないと全く理解できないものとなります。
今回の訪問で、更に歴史の勉強からやり直さなければと、反省した次第です。
★最後に
美術館を出た後は、湯豆腐を食べ、天龍寺に寄って、竹林からの野々宮神社あたりを散策しながら、阪急嵐山まで歩き、帰路につきました。このあたりのことは、また別途報告したいと思います。今日はここまでです。
<釣り>令和元年の納竿は、舞鶴のアジ・サバ釣りです
皆様、こんにちは!
今年の最後の釣行は、舞鶴にてアジ・サバ釣りです。これで、全ての行事が終わり、あとは孫を迎えに行って、いよいよ大晦日となります。
★舞鶴、いざ出船
令和元年最後の釣りは、T師匠に誘われ、O氏と3名で舞鶴に向かいました。天気の一番ましな日を選びましたが、乗合船は満席とのことです。3年ほど前には、見事お正月の真鯛を仕留めましたが、今年も真鯛狙いは難しいようです。
集合時間は11時ですが、10時半につくと、もう全員乗船を始めています。皆さん、相当入れ込んでいるようです。我々も急いで準備し乗り込みました。
天気は絶好です。寒むすぎもなく、風もなく、波もありません。釣り場は、いつもの若狭湾のど真ん中、冠島あたりです。船の進行方向斜め右手には、海の向こう水平線の遠くに雪山の連山が望めます。空気が澄んでいるのでしょう。方向から言って、きっと立山連峰に違いないと思いながら、こっくり日向ぼっこです。
★昼の釣り
まずは、最初の釣り場で様子見です。いつものT師匠特製の胴付き仕掛け、やや控えめにハリス5号、5本バリです。最初の釣り場はエサ取りだけでダメ、次に移ります。
ハイ、ここできました。ものすごい食い込みです。やや小ぶりのイサキをゲットです。そのあとは来ません。2-3回釣り場を変わったあと、船長狙いの漁礁で粘ることになりました。ここでアジが入れ食いです。まだ明るい時間なので、大アジ・鬼アジとはいきませんが、まあまあ良い型です。
余りたくさん釣るとあとが大変なので適当にと考えたのがいけないのか、失敗続きです。3連で釣れた最初のアジをたも網で上げますが、次のアジを上げるために網からアジを外す時に、海に落としてしまいました。ぼけています。
次は、たもの操作を焦ってうまく網に入らず、船べりまで上がってきた大きなアジを外してしまいました。下手としか言いようがないです。
途中で、外れたのもいくつかありましたが、まあ2桁行ったので今日はもう十分です。T師匠は、おもりに特別の仕掛けを付け、赤いのも釣っています。アジはもういいので、タイ狙いを試みます。前から指導を受けていた、おもりを底につけて少し仕掛けを弛ます手法で頑張ります。真鯛は無理ですが、小さい目ながらも黄色いレンコダイが4匹上がりました。
★夜の釣り
もう17時になると暗くなります。夜の釣りに移ります。ハリスは6号に変えます。とりあえず、ツバス、ハマチ狙いです。
ハマチの引きはすごいです。釣りのだいご味でもあります。ハマチも多く釣るとあとの始末が大変です。一体何匹釣れるかなと思いましたが、途中で回り込みがなくなりました。その代り、サバが来ます。残念ながらあまり大きなサバではありません。期待した鬼サバはきませんでした。
T師匠は、イカを狙います。今年は、生まれるのが遅れて小さいのがいるそうです。少し粘っていましたが、イカは来ない様です。ハマチ、サバが回ってくるところなので逃げて無理なのかもしれません。
★今日の釣果
19時半を過ぎました。お正月料理で冷蔵庫も一杯になるであろうと、余り欲張らず、早めに仕舞始めます。アジ、サバ、イサキ、レンコダイ、ハマチの5目で20は十分超えています。まあ今日はこんなもんでしょう。
3名以外の周りでは、イシダイ、ヒラマサ、ヒラメの声も聞こえましたが、これで令和元年の納竿とし、良しとします。
★最後に
翌朝、腰が痛い中、洗濯物と魚の始末です。いつもおなかだけは出しますが、それまでで終わるので、家内からは嫌われています。今日は孫を迎えに行かんなんし、許してねとごまかします。
今日は大晦日です。皆様良いお年を!来年も、仕事に、写真に、釣りに、旅に、、、頑張りましょう。
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<写真>令和元年の撮り納めは、京都植物園の雪中花と待雪草
皆様、こんにちは!
今年もいよいよ終わりになります。今年の写真の撮り納めは、手身近な京都植物園になりました。お題は、ツバキです。
★冬に咲く花
冬に咲く花はあまりありません。秋が終わると撮影場所にも一苦労します。いっそのこと雪が降れば素晴らしいのですが、最近は雪もあまり降りません。
しかし冬のひとときに、寒さにも負けず咲く花があります。よく知られている(私が分かる)のは、椿、さざんか、水仙、福寿草、スノードロップ(待雪草)、蝋梅(ロウバイ)などでしょうか?
これらは、雪の中でも咲く花です。インターネットなどで雪中花として検索するとスイセンが出てきます。しかし、京都植物園では、ツバキが雪中花です。京都植物園の「週刊見頃情報2019.12.20 343号」では、雪中花(ツバキ園)に見頃印★がついてスケッチ図が出ています。
★ツバキ園
寒い中、開園直前に京都植物園に到着しました。雪は降っても積もってもいません。まず、狙いのツバキ園に行くと、もう散りかけたものと、まだまだ蕾のものがあります。京都植物園には多くの種類がありますが、主流は2月からかもしれません。さざんかとツバキの違いはよくわかりませんが、さざんかは既に終わりかけです。
その中でも、奥の方に行くと、赤いのと、白いのが咲いている木が所々にあります。花は傷んでいるものもあり、選択は難しいです。とりあえずマクロでいきます。日差しは朝なの斜光が綺麗なのですが、花に強く当たりすぎのところ、蔭で暗すぎところがあり、きれいな花びらと光を同時に選ぶのが難しいです。
空が青いので、バックが良い位置になる花を探します。中々、全部の条件がそろう良いものは見つかりません。更に花びらの取り合わせ、蕾とのバランス、前ボケなど、条件の良いものを探し回ります。望遠も取り出し、構図の良い切り取りも合わせて覗き回ります。しかしながら、時間が過ぎるばかりです。
「雪中花」と札があった白い花びらのところで長い間粘りましたが、余り満足な絵柄は撮れませんでした。「雪中花」の花びらは真っ白ではなく、淡くピンクがかっています。枝葉に積もる雪の中で咲いているとさぞかしきれいなのでしょう。
★冬咲きのサクラにぽかぽか日向ぼっこ
適当にツバキ園をあきらめて、ぶらぶらと半木神社の池の周りを歩き回ります。小さな花を見つけては、腰をかがめて撮ったり、ネコヤナギの光り輝く姿を狙ったりです。
冬に咲く、小さな小さな桜がありました。3つ4つ固まって咲く花びらが、所々にあります。全体を撮っても目立ちませんし、マクロで花びらの塊を撮っても迫力にかけます。誠に可哀想なぐらい地味なさくらです。
池の周りで、残りさざんかなどを狙っていましたが、気が付くともうお昼前です。待ち合わせの「森のカフェ」に急ぎます。
のんびりしたお昼ごはんです。ぽかぽかと暖かいです。芝生には二組の親子連れが楽しくお弁当を食べています。今日はお父さんもお休みなのでしょう。
眠くなってきます。ぽかぽかと日向ぼっこです。
★スノードロップ(待雪草)
さて、もう一撮りすることになりました。森のカフェの近くのさざんかを撮ってると、メジロがやってきています。狙いを定めます。素早いです。すぐにあっちこっち飛び回ります。しだれ柿もありますが、残念ながらもう色がくすんでいます。
ぶらぶらしながら、最後に北山門出口に近いところのスノードロップを狙いに行きます。咲いていました。まだ多くはないですが、可憐に頭を下げながらも自己主張をしています。
スノードロップの花言葉は、「希望」「慰め」らしいです。インターネットのある記事では、「禁断の実を食べてしまったアダムとイブは、降りしきる雪の中、エデンの園を追い出されました。そこへ天使が現れて「もうすぐ春がくるから絶望してはいけませんよ」と慰め、雪をスノードロップに変えたという言い伝え」があるとのことです。「
この清潔な白さは神にふさわしい花ととされ、今では2/2カトリック教会のキャンドル祭に捧げられます」というミニ知識も得ました。
この姿を写真に収めるには大変です。地面に這いつくばって、10センチ足らずの草花を撮るのです。しかも下を向いています。マクロで手取りで撮りました。撮り終わった後は、簡単には起き上がれません。何回か試みます。やっとの思いで撮ったものの、見返すと、手取りでピントが甘いです。妥協します。
★最後に
今年最後の撮影仕舞は、京都植物園の雪中花でした。待雪草といわれるスノードロップも撮りました。残念ながら雪はありませんでした。
来年はネズミ年です。還暦から次の一周も終わります。更にもうひとまわり、元気で生き延びて、来年こそは、自分満足でも良い納得のいく写真を撮ろうと思います。
今日ここまでです。
<雑感>葉室麟の墨龍賦を読んでみて
皆様、こんにちは!
今日は、葉室麟の「墨龍賦」という本を先日読み終え、面白かったので、感想をしたためます。
★「墨龍賦」との出会い
この本を見つけたのは、京都駅の新幹線構内にある本屋さんです。葉室麟の作品だったので、ちらっと見ました。題目からは直感的にどんな本かわかりませんでした。序を見ると「京都に住む絵師、小谷忠左衛門に幸運が訪れたのは、寛永九年1月に大御所徳川秀忠が没して間もなくのことである。」から始まり、春日局に召し出された忠左衛門が「そなたが海北友松様の息子殿か」と尋ねられます。そして、一介の絵師であった父が明智光秀の重臣であった斎藤内蔵助利三の友であったことを知り、春日局が「そなたは、友松様のことを何も知らぬな。ならば、私が教えてやろう」と静かに語り始めた。ところから、物語は始まります。
★海北友松って?
海北友松という絵師のことはよく知りませんでしたが、葉室麟の作品です、帯からもきっと面白いだろうと思い、思わずレジへ行きました。後でみると、海北友松は、あの狩野永徳や長谷川等伯を輩出した桃山時代にあって、孤高の画家だったそうで、60歳を過ぎてから活躍したらしいです。
有名な作品は、建仁寺の大方丈の礼の間を飾る「雲龍図」やアメリカのネルソン・アトキンズ美術館所有という「月下渓流図屏風」らしいです。
★作品の面白さ
海北友松は、小谷城浅井家の家臣、海北家の三男坊で、小さい頃、東福寺の喝食(小童)として育ったらしいです。浅井長政が織田信長に滅ぼされた時に海北家はつぶれています。この友松が、武士に戻りたくとも戻れず、激しい世の転換の中でもがきながら、生きる上での美しさとは何かを考え続けた男として、葉室麟が見事に描きあげています。帯には「その絵師は、『武人の魂』を持ち続けていた」とあります。
解説には、「心構えの美しさ」を主題とした作品とありますが、私にとっては、むしろ戦国時代の歴史小説としての面白さがありました。
話しに出てくる武将も、比較的マイナーな人々が出てきます。明智光秀や斎藤利三との交流、東福寺で同僚だった安国寺恵瓊との執拗なまでの付き合い、同じく尼子家として還俗した尼子勝久やその部下の山中鹿之助との友情、弟子となった宮本武蔵への教え、狩野永徳とのやり取りなど、葉室麟らしい面白さがあります。処刑された斎藤利三の首を奪還した話も出てきます。歴史小説としての面白さも十分堪能できます。
★葉室麟
葉室麟の小説は、これまで、織田信長の二女で蒲生氏郷に嫁いだ「冬姫」や、九州の戦国大名で秀吉の朝鮮出兵でも活躍した立花宗茂を描いた「無双の花」なども読みました。本作を上梓した10か月後に急逝されたそうですが、また本屋で見つけたら読んでみたいと思います。
★最後に
建仁寺の「雲龍図」も見てみたいです。その子の海北友雪の作品も妙心寺などにあるらしいので、機会があれば見たいものです(既に見たかもしれません)。日本の絵にも少し興味が湧いてきました。
今日はここまでです。
<旅>但馬海岸でカニに温泉、そして大乗寺は応挙の障壁画
皆様、こんにちは!
ようやく11月からずっと忙しかった仕事も終わり、年末を迎えました。もう1月中頃までは仕事もなく、平穏な年末年始を過ごせます。
久しぶりに、夫婦で日本海までカニを食べに行ました。今年は、竹野にしました。孫を連れて行くと落ち着いて食べられないので、今回の旅は夫婦のみです。タグ付きの松葉ガニをたらふく食べることができました。満足です。
★竹野海岸
カニは何と言っても「ズワイガニ」です。京都から兵庫、鳥取、島根辺りまでの日本海で取れる「ズワイガニ」を「松葉ガニ」、福井県で取れるものを「越前ガニ」と言いいますが、関西人にとっては、やはり京都か兵庫の松葉ガニが「かに」です。鳥取や福井は関西から外れていて遠いイメージです。カニは、産地までわざわざ出かけて行って食べるもので、しかも温泉が付きものです。
今年は、夫婦で「ジパング倶楽部」を使って、のんびり山陰本線沿いに、但馬海岸まで、電車で行くことにしました。香住と城崎温泉は既に何回か行ったことがあるので、その間にある竹野にしました。竹野は、海岸べりの山の上に休暇村があります。当然温泉です。駅まで迎えに来てくれるし、ミニトリップとして大乗寺拝観が付いています。
料理は、上から2つ目のクラスの「タグ付きかにづくしコース」にしました。これでもいい値がします。一応「茹で」「刺し」「鍋」「焼き」「天婦羅」「茶碗蒸し」「雑炊」のフルコースです。「味噌甲羅酒」は別途頼むことにしました。
往路は、姫路周りの播但線経由、「はまかぜ」です。竹野まで直通の特急です。大阪駅から3時間ほどかかります。16時前にチェックインし、一風呂浴びる前に、海岸沿いの3つ展望台をめぐる探索です。残念ながら、厚い雲が覆っており、夕日どころか夕焼けも見えず散々です。どうも裏磐梯から、朝日・夕日に恵まれません。荒々しい日本海の波を写真におさめて、風呂に向かいます。予定では、夕日を眺めながらの露天風呂でしたが、かないませんでした。
★松葉ガニはなぜ高いのか
松葉ガニは、活きたままの活けと、水揚げ後すぐにボイルされたものを流通させており、冷凍していません。一般的なズワイガニは冷凍されて流通しています。この新鮮さに大きな価格の違いがあります。しかもこの地方で取れた松葉ガニは甘みも旨味も強く、他とは比べ物にならないくらいほんとに美味です。また漁獲時期は11月6日から3月20日までと限られた短期間です。更には、一匹一匹厳しい審査を経て松葉ガニとして証明タグがつけられるので、その証明も、価格をあげています。でも高いです。
ちなみに、足が取れていたりすると安くなります。身の少なめのベニズワイガニはやや安いです。またオスだけを松葉ガニと言い、小さいメスはセコガニと言います。これは安いです。
夕食では、茹でカニがまるっぽ一杯ついていましたが、なぜか、家内のカニのタグは緑色「香住港の第一盛山丸」、私はピンクの「柴山港の松進丸」です。同じ食卓なのに、なぜ産地が違うのかはわかりません。
タグは水揚げの産地によって異なります。近くの浜坂は白、津居山は青、京都の間人は緑、島根は青、鳥取は白地に赤、越前は黄色などです。
3時間近くかかって、カニのフルコースを楽しみ、カニ味噌の甲羅酒と地元の酒「香住鶴」をいただきました。朝には、家内から「いびきで寝られなかった」と小言もいただきました。レストランは、ほぼ満席ですが、平日のためか、皆さんともに定年退職をむかえたと思われる老人たちです。女性グループや一人旅の方も若干おられましたが、殆どが我々と同じ老夫婦です。
★大乗寺の障壁画
翌日は、スタッフの運転で案内してもらえる大乗寺へのミニトリップに参加しました。と言っても、参加者は我々夫婦と一人旅の老婦人のみです。バンで30分ほどで、大乗寺のある香住に着きます。
亀居山大乗寺(西国四十九薬師霊場第甘八番札所)は聖武天皇御代に行基で始まり、安永年間に再建された際、若い頃住職の支援を受けた恩返しに、丸山応挙が一門12名を上げて、障壁画を描きました。40分ほど係の案内の方から説明を受けるのですが、少し早口でどんどん説明されるので、ついて行けず、残念ながら半分ぐらいしか理解できませんでした。
パンフレットも見て得た知識です。まず全体の構図ですが、仏間の11面観世音菩薩を中心に13の部屋を荘厳し、部屋という空間に仏の世界(曼荼羅)を立体的に具現したとのことです。即ち、「山水図」の深山の瀑布から流れ落ちた水の流れが、池にたまり、やがて大河となり、大海原へ広がっていく景観の推移が描かれています。しかもこれらは、京都で3年がかりで書かれたものであり、立体的なつながりのある構図を、実建築物に合わせて設計していたとのことですから驚きです。
障壁画は全部で165面あります。「郭子儀図」は生々しいほど顔料鮮やかな描写です。仙人の足の間や子供と硯の間が見る位置により動きます。「老松孔雀図」の孔雀は誠に見事です。山本守礼「梅花狗子図」ではかわいい子犬がじゃれています。子犬の目は八法にらみで左右に動いても目つきがついてきます。応挙長子応瑞の「遊鯉図」では、言われてみれば滝の水の後ろに滝昇りする鯉が見えます。長沢芦雪の「群猿図」も見事です。襖の上のわずかなすき間の欄間には、蝶や鳥が描かれたものがありました。その他印象に残ったものが多くありました。残念ながら一部は、今京都で行われている「応挙展」に貸し出し中です。またデジタル複写も一部あります。しかし多くは原画のままの国重文とのことです。絵画は、西洋ものをよく見にいきますが、日本画も捨てたものではありませんね。何となく心に響きます。
帰りは、運転手さんの計らいで、東尋坊にも勝る岡見公園からの絶壁と、カエル岩に案内頂きました。ホテルでお土産を買ってから、竹野駅まで送ってもらいました。
★最後に
帰路は、城崎温泉に寄って、志賀直哉由来の城崎文芸館を訪れ、出石そばを食べ、カレーの干物を買いました。城崎温泉も、随分騒々しくなった感じがします。
冬は何といっても、松葉ガニと温泉です。関東の方にも是非、京都の丹後半島から久美浜、そして兵庫の但馬海岸あたりを一度訪れて頂きたいと思います。
今日はここまでです。
<写真>今日の秋紅葉は、大阪市付属植物園の森を探索
皆様、こんにちは!
今日は、秋紅葉の大阪市立付属植物園です。昨日に続いて、老夫婦で運動を兼ねて、森と紅葉での癒しです。朝は寒く、フル装備での散策です。6月に行って以来です。この時、年間パスを購入しているので、そろそろ元を取りに行きました。
<写真>大阪市立大付属植物園の下見に行きました。ササユリが見頃で、珍しいヒスイランが咲いていました。 - 旅散人のブログ
★まずは見事に色づいたメタセコイヤ
この植物園のメタセコイヤは自慢できる一つです。見事なメタセコイヤが立ち並んでいます。まだ空が白いので、いまいちですが、とりあえず広角で何枚か押さえます。ここには、クスノキ、イチョウ、ヒマラヤスギなどものすごい大木があります。その雄姿は見事なものがあります。帰る頃には、暑くなるほど晴れてきたので、遠方の山々と青い空と雲と共にカメラに再度収めました。
★少しは台風の傷跡が癒されていますが、まだまだ先は長そうです
今日は森の探索と紅葉がテーマなので、まずは森を登っていきます。6月よりは少しは整備が進んだようです。いくつか新しい道も公開されています。しかし、広い森ですから、台風の痛手から早い回復は難しいようです。まだまだ先は長いようです。
森の中は、針葉樹や常緑広葉樹が中心ですが、中には落葉広葉樹も混じっていて、緑の中に赤や黄色や橙や、黄土色が輝いています。うっすらとした影の中に光が差し込み輝くのです。中でも逆光に透き通る紅葉葉は見事です。しかしながら、この目で見た感激を、そのままカメラにおさめるのは非常に難しいのです。
時々、森の中に差し込む光も神秘的ですが、光と影のコントラストを映し込むのがまた難しいのです。いつも人間の目は良くできていると感心します。しかし、カメラは持って生まれた才能だけでは再現できません。何枚も撮るのですがしっくり感がいまいちです。
曲がりくねる山道と落ち葉も見事な絵になりますが、カメラにおさめると、目で見たほどにはなりません。なぜでしょう。
森の中を上がったり下がったりしているうちに、池に出ました。名前は多分ありません。山の上の池です。ここで映り込みを狙った後は、下っていきます。
★見事なカエデ山の紅葉
池を下ったところが、紅葉の見所の一つです。このあたりは、近くに民家があります。紅葉が見られていなと思いますが、こんな近くだとうっとしいところもあるでしょうね。車椅子の方がここまで上がってきています。サポートの方も大変ですが、この紅葉を見たからには満足ではないでしょうか。
更に下の方に進み、イチョウとヒマラヤスギのあたりでウロウロします。父親と女の子の親子連れが英語でお腹が減っったと言いながらお弁当を広げ始めました。写生の方もいます。
我々も、お腹が減ってきたのですが、カエデ山に行きます。家内は、スマホでの紅葉撮影にそろそろ飽きてきています。この山のカエデも見事です。しかし紅葉のピークは超えているので葉っぱは少々傷がついています。アップ撮りは避けます。
太陽も照ってきています。絞り込んで、木陰からからの光条も狙います。残念ながら、散った紅葉はあまりきれいではありません。地に映える絨毯にはなりません。
★今日の歩数目標を達成れました。
お腹が減って、疲れたところで、引き上げます。近くの「なか卯」で遅めの昼食です。携帯の万歩計を見ると6000歩を超えています。本日も心身ともに健康な半日を送れました。
今日はここまでです。