旅散人のブログ

旅と写真好きのシニアのプログです。お金の話も得意です。

<生活>シニアには、もう医療保険は不要と言うのは本当なのでしょうか?

皆様、こんにちは!

 今日は、シニアの保険についての続きです。先に、死亡保険について書きました。

<生活>もう、シニアには死亡保険は必要ない? - 旅散人のブログ

 今回は、医療保険について検討を行います。一般的に、シニアになると①保険料が非常に高くなること②高額療養費制度で月々の自己負担金に上限があること③ある程度の貯蓄があること④逸失収入がないことなどから、医療保険への加入は不要と言われています。人生5年毎の節目に当たる保険見直しのため、死亡保険に続いて、医療保険についても少し深く考えてみました。

 その前に実は、1回目の定年退職の時はまだまだ元の会社に依存しており、退職金の一部を叩いて会社共済の「終身医療保険」に入って、安心していたのですが、会社が傾き解約金が払い戻され制度が廃止となりました。合わせて健康保険料が安く済む「特例退職被保険者制度」も廃止され、保険料が高い「国民健康保険」への変更を余儀なくされました。人生は分らないものです。大地震などで人生設計が狂う程のことまでもないものの、今は若くて、大企業に勤めている方もいつどうなるかわからないことを肝に銘じておくとよいでしょう。ということで、掛け捨て保険を前提としています。

★掛け捨て医療保険の目的は何でしょう?

 シニアの掛け捨て医療保険は、上記①~④などの理由から、基本的には不要で、無駄です。毎月5000円の掛金で、入院一日5000円の保険では、毎年6万円つぎ込んで12日入院して6万円取り戻す。これを毎年繰り返し、やっと元が取れる。健康なら、毎年6万円、10年で60万円貯金できます。万が一の時は、50万円ほどの貯蓄があれば生活には影響しません。毎年毎年入院する確率も低いです。しかも年を取るほど保険料も上がり、75歳では8千円から1万円ほどします。

 医療保険の目的は、こんな少額の負担を補うものではありません。保険ですから、もっと生活に困るほど高額の負担が発生したときのための、相互の助け合いです。単なる損得の理論ではないのです。本当に困ったとき助けてもらうためのものです。

★医療費はいくらかかるかのでしょうか?

 入院した時にいくら掛かるのでしょうか?この費用がよくわからいと不安になります。「生命保険文化センター」の「生活保障に関する調査」のデータによると、大体平均22.1万円ぐらいだそうです。この中には、高額療養費制度を反映した治療費等、差額ベッド、食費や交通費等も入れた金額のようです。この平均額程度なら何とかなりそうですね。

 しかしながら、数値をよく見ると、30~50万円が13%、50~100万円が5.3%、100万円以上が4.1%とあります。すなわち、22.4%が30万円以上かかるという調査結果です。また、差額ベッドなども一人部屋平均値は6-7000円程度とも言われていますが、私が過去入院した時は20000円を超えていました。平均値というデータは見誤ると恐ろしいです、よく読み間違いをします。気を付けたいものです。

 更に、入院日数別の分析では、

  • 30~60日:30~50万円=33.3% 50~100万円=25.9% 100万円~=11.1%
  • 60日以上:30~50万円=23.8% 50~100万円=19% 100万円~=28.6%

 そうなんです。30日以上の長期入院の時は、36%から実に半数近くが50万円以上いるのです。あくまでこれらも平均値です。

 医療保険の目的は、長期入院時の50万円以上の自己負担金を補うのが目的と考えた方が良い気がします。人によっては保有貯金額により、この50万円が100万円になる場合も150万になる場合も色々あります。

★掛け金が安く、入院給付金も安く、保障日数が少ない保険は避ける

 目的がはっきりしたところで、例えば家内が今加入している「全労済の総合65歳移行タイプ」を見ます。死亡と医療を兼ねた保険ですが、すでに紹介したように65歳になると死亡保険が50万になるのでやめようと決心したものです。入院の方は、60歳は日額1500円、65歳では1250円です。掛け金は毎月1800円です。但し、保障日数は180日あります。70歳を超えると病気入院での保障はありません。

 これで5年間掛けて、大病を患い180日入院して、1250x180=225000円です。この程度なので、医療保険としても継続する理由はありません。

★民間の一般的な医療保険の状況~最大給付金額~

 価格COmで、65歳女性日額5000円で調べると、大体月額保険料4000円、年額5万円程度であります。日額10000円なら大体保険料が倍となります。しかしながら、これらの比較的安い保険は、支払限度日数が60日です。

 即ち、一回の入院で5000円X60日=30万円が限界ということになります。これでは本当に困った時の助けにはなりません。

 しかしながら、あと1000円ほどアップして月額保険料5000円程度負担するなら、ガンで入院したら、支払限度額が無制限という振れ込みの保険があります。ガンだけでなく、3大疾病と言われるガン・急性心筋梗塞脳卒中が含まれることもあります。7大生活習慣病(更に糖尿・高血圧・腎出疾患・肝疾患を加える)では、120日までの延長が多いようです。このような保険でも、一般の病気や怪我では60日が限界の様です。まず最大支払限度額をよく知っておくことが重要となります。日額5000円の場合は、

 60日で、30万円  90日で、45万円  120日で、60万円

 180日で、90万円 270日で、135万円  360日で、180万円

なお、ここでの紹介例等はあくまで一般論です。個々の保険内容により、複雑な加入条件になっています。例えば心疾患の範囲なども異なるようです。詳しくは自己責任で、保険会社に問い合わせて頂ければと思います。

★民間の一般的な保険の状況~保険料負担と加入期間~

 保険料が高ければ高いほど、保障は高くなります。しかし、年金生活のシニアの場合は、限界があります。最も考慮すべきことは、一般的に5年毎に保険料が上がるということです。次にいつまで保険に加入するかということです。

 私どもの場合は、精々月5,000円、まあ10,000円の負担は非常に厳しいです。65歳で5000円でも、70歳で6000円、75歳で7500円、85歳で10000円が相場のようです。

 何歳まで加入できるかも重要です。多くは85歳が限界です。70歳というのもあります。

 あと、これからどんな技術が出てくるか不明なので、先進医療給付金は必須です。おまけで手術給付金が付いているといいですね。

★我が家の保険設計結果

 これらの検討結果を踏まえて、家内の医療保険の設計結果は、下記の通りです。

  1. 65歳から15年間、医療保険を継続する。保険料目安は月5000円、日額5000円。7大疾病付き(無制限か120日以上)、先進医療給付金付き。総額120万円。
  2. 一方で、入院・死亡時引当金として、毎月5000円、15年間計90万円貯金。
  3. 備えは、60日入院30万給付+貯金 120日入院60万給付+貯金 180日入院90万給付+貯金を想定

 幸いなことに、現役時代から夫婦で入っていた業界連合会の保険が上記にほぼ該当するのでこれを継続することにしました。但し、70歳からの日額は3000円です。しかし組合のため保険料総額が15年間で60万円と安いので、差額を足して毎月8000円貯金すると144万円、合計15年間での投資額(?)総額は204万円と上記とほぼ同じです。2%で運用すれば、毎月6000円程度で良いです。給付金不足は貯金(投資)を増やしておいて補う感覚です。

★まとめ

 シニアの掛け捨て医療保険について、調査・検討しました。医療保険の目的は、思わぬ長期入院した時や、50万円を超えるような高額負担が発生するような、いざというときの補てんです。不謹慎ですが競馬でいう大穴狙いです。

 重要なことは、月々負担できる保険料の範囲で、7大疾病時などなるべく給付期間が長いものを選び、条件をよく調査することです。給付日額が低い分は、貯金もしくは投資を合わせて考えることです。これを引当金と考えると、死亡保険も不要です。

 貯金のある方は、保険に入らない、もしくはすでに引当金があるので、貯金の必要もないことになります。しかし、このお金はあくまで引当金です。全くの余剰金です。年金不足を毎月補う生活用の貯金を使ってはなりません。これは自分への戒めです。

  保険の世界も、時代によって変わります。こんはずでなかったということも多々あります。毎年、自分のライフプランを見直して、備えておくことも、シニアに取って重要なことです。これも人生経験からの自分への戒めです。

今日はここまでです。