旅散人のブログ

旅と写真好きのシニアのプログです。お金の話も得意です。

<生活>普通のシニアでは、年金だけで老人ホームに入れない!(中間報告)

皆様、こんにちは!

 今日は、近い将来起こるであろう自分達夫婦の介護について考えてみます。

これまで、もうすぐ本格的な老後生活に入る準備として、「 <生活>もう、シニアには死亡保険は必要ない? - 旅散人のブログ 」「<生活>シニアには、もう医療保険は不要と言うのは本当なのでしょうか? - 旅散人のブログ」などを考えてきました。

  残る老後不安で、最も大きく、最も厄介で、最も分りにくく、費用の想定が出来ないのが介護問題です。先の執筆のあと、ずっと考えたり調べたりしていましたが、結局どのように備えておいたら良いのか全くと言っていいほどわかりませんでした。

 

 仕方がないので、極端に絞り込んで、一般論として普通の夫婦が、お互いに介護3以上になった時、しかも認知症を抱えたとき、今の年金収入でやっていけるかを、実際の近隣府県の介護施設のパンフレットを見て、シミュレーションをしてみました。その中間報告の概要です。

★介護状態の仮定

 介護保険制度では、要介護が5段階に分かれています。「2」は「立上がり/歩行が困難で、一部又は全介助が必要」、「3」は「立上がり/歩行に衣服着脱もできない、全面介助必要」となっています。「4」になると日常生活全般において全面介助必要」「5」では「意識の伝達も困難」とあります。

 認知症はどのように段階的に悪くなっていくのかよく知りませんが、周りを見ても大変な状況が実感できますし、多くの悲劇が起こっていることも報道されています。

 まず置かれた状況によって違うのでしょうが、「1」「2」レベルで認知症がなければ、配偶者か家族の支援を受けながら、在宅で通所サービスを受けることで、何とか出来るのではないかと想定しました。

 ある程度重度の認知症が発生するか、「3」かもしくは「4」レベルになり、もし、わずかな蓄えと年金収入でやっていけるのなら「介護施設」に入居して、少しでも家族の負担を避けたいと思うのが、一般的なシニアと考えます。これを前提条件としてシミュレーションをしてみました。

★様々な介護施設を絞り込む

 介護施設と言っても色々あり、よく分りません。その中で、前記前提条件から、下記の必要条件を明確にして、該当する施設の種類をある程度絞り込むことができます。

1.介護の認定区分「要介護3~5」が受け入れてもらえる事

 例えば、軽費老人ホームと言われる「ケアハウス」は、費用も比較的安く、特に入居者の年金収入に応じて安くなることが魅力ですが、「一般型」の場合は自立や介護2までのことが多いようです。「介護型」ならそうでもないようですが、よく調べる必要があります。ちなみに、古い国民年金のみだった私の実母は、私が月3万円程度の補助を行うだけでこの種の施設に入ってましたが、「介護3」になると結局追い出されました。しかも多額の部屋の修繕費を取られました。しばらく姉の家で何とかしながら施設を探し回り、ようやく何とか「特養」に入れることになりました。その時は「4」「5」まで進んでおり、特別に入れてもらった状況です。でも半年足らずで亡くなりました。良く将来のことまで考えておく必要があります。

2.認知症を受け入れてもらえること

 必ず確認をする必要があります。しかし、重度で共同生活に非常に支障をきたすときはダメな場合も多いようです。はっきりしないです。認知症の方々で共同生活をして少しでもリハビリするという趣旨がグループホームと言われるところと聞きます。しかし身体的な介護には向いてないような気がします。

★入居しやすい介護施設

 前提条件と必須条件があっても、空きがなければ入れません。お金の負担より、まずは入りやすさを考えておくべきです。

  介護施設には、いろいろな種類の名前があって混乱しますが、安いのは特養と呼ばれる「特別養護老人ホーム」です。しかし、なかなかすぐにには入れないのが実態です。

 「介護型」ケアハウスも、比較的安いようですが、まだ戸数も少なく競争も激しいとのことです。

 これから高齢者が多くなる時代のため、これらは益々待ち行列が多くなる一方と推測します。よって、これらを第1候補、第2候補に挙げておくことは必要ですが、別途すぐに入れそうな候補を何点か探して置くことも必要と思います。なお特養は、いつでも緊急避難的に入居できる道筋を付けておく努力はすべきです。このため、70歳を過ぎれば、地元や地域社会とも連携を保ち情報交換を欠かさない手段を持っておくことが大切だと思います。義母は、古い街に長く住み地元と密だったため、比較的スムーズに特養に入れたと思います。早くから該当施設との交流も大切と思います。

★キーワードは、特定施設入居者生活介護施設

 「特定施設入居者生活介護」とは、特定施設(有料老人ホーム、軽費老人ホーム等)に入居している要介護者に対し、施設内において介護サービ計画に基づいて行われる、入浴・排泄・食事等の介護、その他の日常生活上又は療養上の世話、機能訓練を指します。この事業者の指定を受けるには一定の基準を満たす必要があります。まずは、安心して入居できる施設ということになります。しかし、さすが高いです。ここへ、一般的な年金収入のシニアが入れるかが課題です。

 

 ★介護付き有料老人ホームの費用見込みの実態

 とりあえず、インターネットのパンフレットにより、できるだけ安い近隣の施設の介護付き有料老人ホームを探し当て、費用見積もりを行いました。その事例によると、

 入居一時金0円、月額費用154,800円(税抜き)(内訳:家賃89,300円、管理費(税抜)31,000円、食費(税抜)34.500円)です。管理費は共有部分の維持管理(水光熱費、保守管理等)、食費30日分です。これを①16万円と見ます。家賃が高いです。

 これ以外に、「介護保険給付自己負担額」があり、要介護5で1割負担者は25,080円、2割負担者は50,160円となります。但し、これは基本額で、法令要件を満たした場合には増額、詳細は問い合わせとなっています。これが味噌です。よく内容が分かりませんし、そもそも、標準的な介護サービスで十分なのかどうかもよくわかりません。

 他の事例資料では、上乗せ介護費やサービス加算などの項目もあります。入浴一回増で1080円等書いてあります。しかし幸い、高額介護サービス費制度というのがあり、月額最大が、非課税(妻単身)なら24,600円、一般(私)なら44,400円と言います。びっくりするほどかからないと推測できます。まあ②2.5万円と見ます。

 さらに詳細不明なのが。「その他の費用」です。居室電気水道代、その他例で医療費(薬剤費)おむつ代、アクティビティ参加費らしい。その他調べてみると、理容美容費、買い物代行、通院付き添いなど、更にはお菓子や書籍代や小遣いも考えておく必要があります。中でも推定がむつかしいのがおむつ代、10,000円という情報もあるし、数万円という情報もあります。まあ、これらは節約を重ね一応③3万円と見ます。

 これ以外に、持ち家を守る費用がいります。最低限、固定資産税金と管理費と水道光熱費の基本料と片方が家で生活する生活費が、それなりに掛かります。

 これらを考えると、被介護者21.5-22.5万円(①+②+③)に、片側が家で過ごす費用が20万円とみても、夫婦で最低41.5-43万程度もかかります。単身では22万、夫婦で42万と見ましょう

 一般の元サラリーマンでは、年金だけでは絶対不足します。一般的に言って、普通の元サラリーマンと言うのは、一般所帯で22-24万、余裕ある世帯で34-36万円でしょうか。夫がなくなり妻が単身で遺族厚生年金をもらうようになって12-13万でしょうか。ここでは、夫婦で多くて34万、少ないと22万、妻単身で12万とします

 正確には、自分達の年金収入をきちっと詳細まで把握していることが必須です。私の場合は、ライフプラニングとして、100歳まで別途一覧表に書き出しています。

 この試算では、年金収入だけでは、夫婦2人の時に片方が施設に入ると、毎月8-20万円は赤字です。5年では500-1200万、10年で1000-2500万円の赤字になるということです。妻単身でも、毎月10万円、10年で1500万円の赤字です。絶望的です。当然私たちも大なり小なり同じような状況です。

 ★途中までのまとめ

 

 高度介護状況になったとき、年金だけでは比較的安い「介護付き老人ホーム」でも入れないことがわかりました。無理をして入っても、1000万円の貯金があって精々5年です。それまでに何としても「特養」に入れる手段を考えるとことです。「特養」なら、住居費が安くなり、おむつ代は介護費に入っています。総費用が15万円までぐらいと考えられます。まだ可能性はあります。

 二人所帯の場合は、何としても在宅介護を限界まで続け、「特養」が空いたときに滑り込むことです。妻が一人になれば、場合により、家を売るか、貸すか、子供に与えて代わりに不足分を家賃代わりに援助してもらうことです。可能性はあります。

 今回はラフ試算だったので、更に詳細について検討と調査を続けています。可能性を追求していきます。妻や子への遺言としてもまとめておきたいと思います。

 今日は中途半端ですがここで一旦筆をおきます。